1時に寝て7時に起きた。来週は出張なのでその準備もいるし、連休明けから急に忙しくなってきた。今日も一日中資料を作成していた。来週に東京出張して集中的に打ち合わせする。その叩き台の資料を作っていた。
建物の登記
登記の専門家として 土地家屋調査士 という士業があるらしい。相続に関して土地家屋調査士さんと話したので少し書いておく。相続のやり取りで実家の建物を母が相続する段取りで進めていたが、どうやらうちの建物はすべて未登記らしい。土地家屋調査士さんが言うには、未登記の建物は相続できないという。いまは建物を建てると原則として法務局に不動産として登記することが義務付けられている。昔もそうだったかもしれないけど、昔はいまよりも適当だったので未登記の建物がたくさんあるという。
最近は法律が改正され、未登記だと10万円以下の過料を支払うという罰則が設けられた。しかし、歴史的経緯によって現実として世の中に未登記の建物がたくさんあるとわかっていて、本当にすべての建物に10万円以下の過料を行政が取り立てるのか?というと、土地家屋調査士さんもそれは懐疑的だという。おそらく過渡期においてはなんらかの救済措置が取られるのではないかといった話しもされていた。
建物が未登記であっても固定資産税の支払いはできるために、実質的に登記というのは誰がその建物を所有しているかを第3者向けに証明するのみに過ぎない。例えば融資を受ける場合には必須となる。他人が住んでいる建物を自分のものだと主張して裁判になるといったことは、普通に生活していて起きることではない。未登記でも実質的に困ることはない。何十年も昔から未登記でそんなことは1度も起こっていない。固定資産税は地方自治体が管理している固定資産税評価額に基づいて支払うため、その金額に基づいて相続税も申告して支払える。土地家屋調査士さんによれば、未登記の建物は相続できないのに。これは行政の管轄の違いによって起きていると推測される。
そして、いま未登記だということは、祖父から父への相続がなされていないという解釈になるという。そのため、登記にあたって父ではなく、祖父の相続人に対しての確認をした上でいくつかの手順を踏んで登記の手続きを進めないといけないという。
表題登記を行うためには、司法書士への依頼費用が2〜3万円ほど、土地家屋調査士へ依頼する費用が8〜12万円ほど必要です。
調べていると、なぜ未登記の建物が多いかというと士業への費用を節約するためだという。士業の方々に登記を依頼するとそれなりの費用がかかる。この費用を支払っても得られるメリットがないときにこれまで未登記が選択されてきたという。土地家屋調査士さんに「このまま未登記で困ることありますか?」と聞いたら、親族でお金に困った人が出てきたときにその建物の所有権を主張して云々みたいな話しを始めたので、途中で嫌になって「そのリスクは受け入れます。」と遮ってしまった。ほとんど資産価値のない、田舎にある老朽化した建物を、お金に困った人が所有権を主張するとは現実的に考えにくい。
うちにとっては未登記の建物のデメリットは事実上ないようにみえる。土地家屋調査士さんの作業だけで登記できるならやってもらって構わないが、祖父からの相続を考慮して親戚をまわって念書と印鑑証明を集めて登記するといったことは、デメリットに対して労力が大き過ぎると私は判断した。相続税は支払うが、建物は未登記/未相続で進めてもらってよいという主旨の回答をした。士業の方々がその要件に納得するかどうかはまだわからない。