18時半に寝て22時過ぎに起きて、もう今日は無理やと諦めてまた寝て、6時に起きて8時に起きた。車移動の旅の疲れか、いつもよりよく眠れた。
能: 敦盛
13時から 第四回《真花演能会》能『敦盛』 を カフーツのいとうさんとながいさん と一緒に観に行ってきた。結論から書くと、私にとってはとてもよかった。前に1度能を観た体験 があるのでその前回の体験との相対比較で観ることもできた。前回は能を2つ、狂言を1つ観たことで時間がかかった。今回は狂言と能を1つずつのセットで観た。初心者は観ていて疲れるのでこのぐらいの規模で十分に思えた。
一番よいSS席が8,000円と、前回よりも少し高い価格設定となっている。その価格差からサービスレベルの違いも伺えた。お客さんの入りは会場のキャパシティに対して7割程度といったところかな。
- スマホとイヤホンで能の解説が聞けるアプリを提供
- イヤホンをもっていなかったので聞いてないが、、、
- 朝原さんの解説が丁寧でわかりやすかった
- この解説もスマホから英語で聞けると話されていた
- 資料は英語併記で当日のアナウンスも日本語の後に英語で行っていた
- 詞章 (ししょう) という、能の台本が資料に添付されていた
- 謡曲 (ようきょく) とも呼ばれるみたい
詞章があることで演者が何を言っているのか把握しやすい。例えば、次のような台詞を能の独特の謡の表現で聞き分けるのは素人にはなかなか難しい。というのは現代語ではないという点と、明確な1文になっていなかったり、単語の区切りがよく分からなかったりするから。次の台詞から「に」「の」とかで終わっている文章があることがわかる。
ワキ: さては其夜の御遊びなりけり城のうちに。さも面白き笛の音の。よせ手の陣まで聞こえしは
シテ詞: それこそさしも敦盛が。最後まで持ちし笛竹の
ワキ: 音も一節を唄ひ遊ぶ
必ずしもこの台詞通りに謡をしているわけでもないことがわかった。少し飛ばしたり、書いていない内容を謳うこともあった。あくまでこれは参考程度のもののようだ。感覚的には8割ぐらい資料の沿って進んでいた気がする。
前回はちょくちょく寝落ちしてしまっていた。今回は詞章をみながら能を観ていたのでずっと集中して観ることができた。詞章ばかり目で追っていると演者の動きをみれないのでそのバランスも大事だと理解できた。本当はこの内容を暗記して観るのが正しいのだろう。寝落ちしたのは中盤の、詞章がなかった地元に住む男との会話の部分だけだった。
後半は囃子方の演奏とシテの演者の舞いが盛り上がっていって、最後の最後は場面が変わって少し落として終わったように思える。そこら辺はよくわからなかったけど、後半の盛り上がりにかけての、蓮生 (熊谷次郎直実) と敦盛との和解の雰囲気が表れていた。敦盛は2番目物の修羅能にカテゴライズされる。このカテゴリは修羅道に落ちた苦しみを描く作品が多い中、敦盛を討った蓮生が供養し、敦盛が成仏していく?ような終わり方になっていてよい結末のような話しになる。内容も後味がよいものだった。
狂言: 雷
能と狂言をセットにして 能楽 と呼ぶ。日記での紹介は前後しているが、現代では狂言を演じてから能をするという順番になるらしい。狂言は20-30分、能は1.5時間程度といった時間配分になる。現代に当てはめると、狂言はコメディ、能はシリアスなドラマといった演目になる。
雷 (神鳴) という狂言をみた。狂言は演劇に近いので詞章がなくてもだいたい雰囲気はわかるし、笑えるところもわかる。腰痛を治してもらった雷神が医者にお礼を求められ、持ち合わせがなかったことから「近日眷属を連れてそなたの住処に落ちて礼をする」と言うが、医者は「それは迷惑でござる。」と言い放った瞬間が一番受けていた気がする。一緒に行ったながいさんは狂言の方がわかりやすくてよいと話されていた。
大鼓方
太鼓 (たいこ) じゃなくて大鼓 (おおつづみ)、漢字が似ているのでたまに間違う。
前回に能を観に行ったときも 谷口正壽 さんが大鼓を演奏されていた。おそらく関西圏で活動されているのだと推測する。前回はパンフレットに囃子方の名前がなかったけれど、今回は囃子方の演者も記載されていたので名前を確認して調べてみた。観終わった後にいとうさんも谷口さんの演奏について言及しているのを聞いて、私も前回初めて聴いたのに囃子方すごいと印象に残ったのは谷口さんの技量の高さによるものだとわかった。素人が聴いていてもこの人は別格のように感じた。ホームページのプロフィールによると昭和54年 (当時10歳) から能楽石井流大鼓方に入門とあるので40年以上のキャリアになる。
谷口さんが大鼓で出演している能を探したら次がヒットした。前に菊慈童 の動画を見返したときも感じたが、臨場感が全然違う。動画だと谷口さんの凄さは霞んでしまう。生で聴いた大鼓と掛け声の聴こえ方とは異なる。
能楽と郷土を知る会
能楽を演じる前に30分ほど予備知識や背景などを解説する時間がある。今回は 朝原広基 さんという能楽研究家が演目の解説を行った。肩書きの通り、当時の時代背景や風習などをとても丁寧に解説してくれてわかりやすかった。
パンフレットに入っていたチラシをみて 能楽と郷土を知る会 というイベントを運営されているようだ。まさに私が関心のある内容なので今度遊びに行ってみようと思う。
ストレッチ
土曜日は旅行へ行っていたので日曜日の夜にストレッチへ。首が痛いとトレーナーさんに伝えたら、いつもはやらない首のストレッチもやってくれた。感謝。体調の悪いところを伝えるとそこもストレッチしてみてくれるのが助かる。車を運転する姿勢はどうしても前傾姿勢になるのと、運転は意識を集中しないとできないことからデスクワークよりも上位の負荷がかかるらしい。神戸から高知まで何時間もかけて運転しているし、移動の時間は車に乗せてもらうことも多かったので全身あちこちに張りがあって、とくに上半身が全般的に硬かった。今日の開脚幅は開始前151cmで、ストレッチ後154cmだった。いつもとは違う状況での計測なので数値は悪化した。