Posts for: #Book

ホテル経営の本を読み終えた

0時に寝て7時に起きた。

もてなしだけではもう食えない

読み終えた。あとで総評を書く。

第10章 不動産屋の悪知恵

2000年に改正された借地借家法38条の「定期借家」の条項から賃貸契約には2種類あるらしい。

  • 普通借家
  • 定期借家

普通借家は契約期間更新の概念があり、借り主が契約更新を拒否するには「正当な事由」が必要になる。一般的な賃貸マンションなどの契約も多くのケースでこちらの契約になる。ここでいう正当な事由とは、建物が老朽化して立て直す必要があるとか、貸し主がそこに住むといったものらしい。一方で定期借家は契約期間が終了すれば、一旦契約は終了してから新たに再契約するといった段取りになる。この定期賃貸借契約の条件を満たすには、契約期間更新の定めがないことを説明した書面を交付する必要がある。その書面がない場合はすべて普通借家とみなされるという。その是非を巡って争った最高裁の判例があるらしくググるとすぐに出てくる。当事者同士で双方の合意があったとしても説明書面がない場合は無効とするような判例となっている。これを逆手に取れば、普通借家として契約更新を主張できるというストーリー展開になっている。

あとは PDCA サイクルのうち、日本の会社で一番弱いところはどこ?という話題が出てくる。Check だろう?という主人公の答えに、アドバイザーは Plan じゃないかと返す。Plan が曖昧だから Check できないという背景になっているのではないかと。一理あるかもしれない。日本人は気質として誰か1人が責任を担うのを嫌う文化があるように思う。個人の責任にしたくない・されたくないという空気から Check を曖昧にしたがる傾向があると私は考えている。

第11章 エピローグ

タイトルのままの章でホテル経営についてのアドバイスがあるわけではなく、ストーリ仕立てで展開してきた物語の結末や登場人物たちのその後のキャリアや展望などを紹介している。総じてハッピーエンドと言えるし、総じて人生の中のスナップショットとしてこんなもんとも言える。区切りがきてなんらかの結果が出たとしても、さらに人生は続くので日常が少し変わっていくだけといった展開になっていた。

あとがき

著名なホテルの総支配人と著者との対談がある。読んでいて関心をもてたところは Job Description (職務分掌記述書) の重要性が説かれている。適正な評価、公平な人事、採用にも必要とされる。この考え方はメンバーシップ雇用を長く続けてきた日本の会社の年功序列とは大きな違いがあるため、制度設計の見直しは時間がかかるのだろうと思える。過去のしがらみがない新興企業が新たに制度設計して台頭していくのがよいのだろう。

また外資系という言葉に抵抗感のあるスタッフに対して「トヨタやファーストリテイリングは外資系ですか?日系ですか?」と尋ねるという話題も出てくる。そうすると、外資系や日系というグルーピングに意味がないことに気付く。その違いを対談の中ではグローバルかノングローバルかの違いでしかないと説明されている。ビジネスの規模や競合をグローバルの視野で考える必要があるかどうかによって変わってくるという。

勝てる能力があってもその素地となる基礎体力がないと発揮できない。野球でも基礎体力があるから速い球を投げられる。

これもホテル経営に限った話しではないなと思えた。私自身、昨今の開発チームをみていて感じることでもある。クラウドでアプリケーション開発が簡単になったがために基礎がなく、スキルが低い開発者もメンバーの一員として働けるようになった。もちろん最初は誰もがそうだけど、適切な指導や教育を受けないとそのまま経験年数だけが経ってしまう。さらにそんな人が偶然リーダーになってしまうと 許される無知の範囲は開発経験年数に反比例する という現象が起きる。一定の水準を超えていない開発者がなにを作ってもうまくいかないのではないかと私は感じるようになってきた。私はそういったプロダクトを「ただ動くだけ」と呼んでいる。その後の拡張や保守に必要以上にコストがかかり、それが原因で将来の開発計画に支障をきたすこともある。そして、多くのケースでその状況を作った人はその後いないことが多い。

コーポレートファイナンスの入門

0時に寝て6時に起きて7時半に起きた。

ストレッチ

今日の開脚幅は開始前158cmで、ストレッチ後162cmだった。まだ右腰と右股関節、両腕の張りは少し残っているものの、先週末の田んぼ仕事の疲労はかなり抜けた。今週は暑くて家に帰ってきたらエアコンをつけてだらだらしていたのであまり数値はよくならないんじゃないかと思っていて、実際に開始前の数値はいま一つだったんだけど、ストレッチを受けたらいつも通りに戻った。トレーナーさんと雑談しているときにふと「毎日パソコンを使いますか?」と質問を受けた。トレーナーさんからプログラマーの自分にとってそんな質問をされるとは予想外で思わず吹き出して笑ってしまった。その質問は「毎日水を飲みますか?」と私にとっては同じですよと答えた。トレーナーさんも愚問だったと理解して一緒に笑ってた。

もてなしだけではもう食えない

第7章 ホテルが客を動かせ

ホテル側が自分たちの問題を解決するために客の行動を制御するといった展開になっている。米国のスーパーマーケットでは Express Lane という、購入品目が少ない客向けに手早く決済するためのレジが設けられているらしい。日本にはないのかな?この運用には客に学習コストを強いるのが欠点となる。キャパシティ問題の問題解決のアプローチは次の3つになる。

  1. キャパシティを増やす
  2. 供給を変える
  3. 需要を変える

本章の展開としては3番目の客側の導線や行動を変えてしまう方法で需要を変える手法が説明されている。本題ではないけど、さらっと出てくる説明にも納得感がある。ダメなホテルの共通点として、他社でうまくいった改善策、ベストプラクティスに飛びつき、それ以上考えようとせず、問題の本質を理解しようとしない。そういうホテルはコンサルタントが去ってしまうといずれでダメな経営に陥るとある。ホテルに限らず、ダメな会社の特徴だと思う。

客にピーク時の利用を避けてもらうための施策として次の2つがある。

  • 混雑することをあらかじめ伝えておく
  • 混雑を避けることのインセンティブをつける

ホテル側が客の行動をコントロールするのは構わないが、客にとってそれが不利益にならないように配慮する必要がある。人間の心理として混雑することがあらかじめわかっていればクレームにならず許容できたりする。人は不意に混雑に出くわして不満をもつことが多いという。そういった人の心理を利用して人の行動を制御して経営に生かすという考え方は比較的新しい研究領域である。行動経済学などもその分野の1つで、古典経済学では人は合理的に行動するとされてきた。しかし、現実では必ずしもそうではないことも行動経済学によってわかってきた。

第8章 リスクを知らないリスク

親会社の不動産会社からリスク管理報告書を提出しろという業務に沿ってリスクマネジメントについての話題が出てくる。契約の話しだったり、建築に関する話しだったり、あまり一般的な経営とは異なる内容にみえる。余談だけど、過去にうちの会社で業務内容が変わったにも関わらず、契約内容を更新せずに更新された新たな業務を継続してうまくいかなかった経験がある。うまくいかなかったときに原点に立ち戻る場所が契約であり、契約を曖昧に扱うと後でしっぺ返しがあるという失敗をまさに経験した。ふりかえりをするときにそもそもの基準が適切でないとその反省や改善点も曖昧になってしまうという話し。

さて、リスク管理報告書のアウトラインとして次の用語が出てくる。

  • ハザードコントロール
    • ハザードとは危険を生じさせるもののこと
    • ホテル経営だと、食中毒を防ぐ施策とか、横領できないように決済承認に2名以上必要とか
  • ペリルコントロール
    • ペリルとは事件・事故のこと
    • 起きてしまった事件・事故から最小限の損害・被害に食い止める施策
  • ロスコントロール
    • ロスとは事故発生時に発生してしまった経済的損失のこと
    • 具体的には保険購入であり、どんな保険にどのぐらいの補償額で加入するかになるが、これがなかなか難しい

peril という英単語の辞書を引くと、差し迫った危険という意味が出てくる。リスク管理の文脈の用語と英語の意味はやや違うのかもしれない。

第9章 タイムバリューを理解せよ

親会社に投資ファンドからホテルの買収提案があり、ホテルの事業価値を測るコーポレートファイナンスの話題が出てくる。上場企業であれば株価 x 発行済株式数で時価総額がすぐにわかるが、未上場企業の価値を査定するのは難しいという説明からその手法が紹介される。

  • 類似業種比準方式
    • 上場している同業者の株価を参考にする
    • 但し、ビジネスモデルを無視して業種だけで比較しようとしても単純比較はできない

不動産を所有しているかどうかで株式評価は大きく異なる。単純に不動産をもっていればよいというわけでもなく、資産と負債のバランスが取れているかが大事。「また貸し」のことを業界用語で転貸 (サブリース) と呼ぶ。

  • 純資産方式
    • 会社のもっているものを全部売って借金を返した残りのお金という評価方法
    • 貸借対照表の資本がマイナスになっているとすべてを換金しても負債が残る = 債務超過

株価の利回りを株価収益率 (Price Earnings Ratio: PER) と呼ぶ。時価総額 / 純利益で計算される。この計算式から時価総額を知りたければ、純利益 x PER で計算できる。比較可能な会社の PER がわかれば未上場会社の株価を計算できる。但し、PER は会社が未来永劫事業を継続させることを前提としている。会社の継続性に疑義があると PER を用いる根拠がなくなる。株主に説明するときの利益とは、正式には 税引き後当期利益 になる。この金額から配当がなされる。うちの会社だとざっくり粗利から20-30%ほど (法人税 + 消費税) 引いたものが税引き後当期利益になる。会社が予定する配当額は同じだが、株価をディスカウントすることで配当の利回りをよくするという考え方を リスクプレミアム と呼ぶ。会社の展望や事業の不確実性を数値化したとみなすことができる。

  • 株価1000円で配当額が20円だと、利回りは2.0%
  • 株価500円で配当額が20円だと、利回りは4.0% (この 2.0% の差がリスクプレミアム)

いま現在もらえる現金の1万円は1年後もらえる1万円よりも価値が高いと言える。それは1年後にはもらえないかもしれないリスクや運用機会損失リスクが含まれるから。その価値をどの程度低く見積もるかを 割引率 と言う。この割引率を用いて将来の現金をいまの現金価値に置き換える評価方法を DCF (Discounted Cash Flow) 法 と呼ぶ。仮に割引率を10%とすると、1年後の100万円をいまの価値にすると、100 / (1 + 0.1) = 90.9 万円になる。2年後の100万円だと 100 / (1 + 0.1)^2 = 82.6 万円になる。

本文中ではこの計算式を使って年間の利益と割引率を考慮した現在価値をエクセルでモデル化している。python で書くと次のようになる。

>>> def f(profit, discount_rate, year):
...   return profit / pow((1 + discount_rate), year)
>>> for i, profit in enumerate([100, 120, 125, 130, 135, 140, 145, 150, 155, 160, 165], 1): i, round(f(profit, 0.1, i), 1)
... 
(1, 90.9)
(2, 99.2)
(3, 93.9)
(4, 88.8)
(5, 83.8)
(6, 79.0)
(7, 74.4)
(8, 70.0)
(9, 65.7)
(10, 61.7)
(11, 57.8)

例えば、割引率が10%で5年後の利益が135万円ならば、その現在価値は83.8万円になる。本文の中ではこの金額が投資ファンドが提示している金額だとだいたい一致していることから、これ以上の精度の高いモデルを作らないといけないみたいなストーリー展開になっている。いずれにしてもパラメーターの変数の精度が高くないと適切なモデルとは言えない。割引率を用いた現在価値を計算する考え方を タイムバリュー (時間の価値) と呼ぶ。意思決定が遅れるほどプロジェクトの収益化も遅れるため、割引率を計算する現在価値が小さくなっていくという考え方ができる。

サービスインとスプリント

1時に寝て7時に起きた。

2つ目のサービスイン

スプリントの最終日が今日になる。しかし、今日はサービスインの作業でバタバタしているので主要な開発者は運用サポートしたり、PO もシステムの切り替え対応で fix したタスクの検証ができないといった理由でこれ以上タスクを進捗できそうにないことを容易に想像できた。スプリントゴールに掲げたタスクのうち、9項目中2つしか完了してないという状況だった。ちょうど夕方にスクラムのふりかえりもあったので、今回のスプリントは一体何なの?みたいな懸念から始まって、やる必要があるのかないのか曖昧な優先度設定はよくないという意見が出ていた。サービスインする週にスプリントをやるのもおかしいというのは前回も私はコメントしていたんだけど、今回も全く同じことが話題に出ていて、過去の失敗から学ばないチームになってた。

個人的に、開発のマネジメントにおいて、できもしない (やる気もない) 納期を設定するのが嫌い。私が古い人間なのかもしれないけど、納期が設定されてそれが大事なんだと認識したらどんな手段を使っても納期に間に合わせようとする。例えば、泊まりがけで開発したり、深夜早朝・休日に開発したり、大事なんだったら間に合わせる。しかし、労力を払って間に合わせたものの、他のメンバーやタスクはそうじゃなかったりして、遅れても何も起きないとがんばってやった人がしんどかっただけで終わる。過去にそういう状況を何度も経験してきてやる気をなくすことが多かった。

もてなしだけではもう食えない

第6章 営業予算の使い方

米国帰りのマーケッターという新たな登場人物。学部から米国の大学に留学すると米国史を英語で学ぶのが大変みたいな余談が出てくる。日本史は2000年を長く薄く勉強するが、米国史は200年しかないから内容が濃いのと最近の話だから史料も多く細かい史実を学ぶ必要があるという。全然、本題じゃないけど、歴史好きの私としてはおやと思えて楽しめた。いくら敏腕なマーケッターでも業務知識がないと空回りしてしまう。マーケティングの精度をあげるために必要ならば、その教育コストもマーケティング予算から捻出すべきだといった話しも出てくる。普段、会計システムに勘定科目を調べながら経費を入力している私にとってはなるほどなぁと、またまた本題ではないところで感心してしまった。

統計学のp値が5%以下ということは95%の確率でそのデータ上の差が実際に起き得る確率を表す。統計学は大事だとか、エクセルを駆使してデータ処理しろとか、そういう話題も出てくる。あとは古典的なマーケティングの手法として AIDMA モデルが紹介されている。基本的な考え方として知っておいたら役に立つときもあるかもしれない。

  1. Attention (注目)
  2. Interest (興味)
  3. Desire (欲求)
  4. Memory (記憶)
  5. Action (行動)

例えば、Attention は情報誌に広告を出してみてもらうようなフェーズを指す。みてもらったら Interest に移る。口コミの内容で興味をもってもらうとか。興味をもってもらったら Desire として実際のサービスを体験してもらったりしてより強い欲求をもってもらう。一般論として Desire から Action へは間があくこともある。記憶させておいてそれを呼び戻すためのフェーズが Memory になる。最後の Action で成約を得て収益になるといった一連の流れを指す。

業界研究を再開した

23時に寝て9時に起きた。昨日の疲労でよく眠れなくてバテてた。午後から会社の雑務をしていた。

もてなしだけではもう食えない

少しずつ読んでいく と書いてから3ヶ月読んでなかった。ホテルに限らず、ビジネス一般論としても通じるところが多かったように思う。経営の一般論とでも言うべきか。

第3章 お客さまは神様とは限らない

  • ビジネスの世界は大学のケーススタディみたいに物事がきれいに整理されているわけじゃない
  • 顧客満足度とは本来、企業収益と正の相関関係があるはず
    • 正の相関関係とはAが1増えたらBが1増える
    • 相関係数は-1から1まで
    • 1だと正の相関係数が最大で、0だと無関係、-1だとBが1減る
  • 顧客のロイヤリティとは、再訪するか、他者に推薦するか、商品やサービスに対する信頼や共感を指す
    • ロイヤリティには2つの意味があって、これはマーケティングの分野で使われる意味
  • 従業員満足度の向上が対外サービスレベルを上げ、それが顧客満足度を上げ、結果としてオーナー満足度を上げる
  • 放置できる不満は放置される、経営学的にみて正しい行い

主人公は学生時代の成績が悪かったことから分からないと言えることが強みという説明文が出てきて、教授の説明が理解できないときにどんどん質問して丁寧に説明してもらうというやり取りになっている。この言葉を引き出すために主人公は仕事ができない人設定にしているのかとも考えられる。異世界モノにしてしまえば、こんな説明はいらないなとか読んでて思った。

第4章 「立ち入り禁止」の向こう側

会計は用途によって会計基準が異なる。

  • 財務会計: 損益計算書や賃借対照表といった財務諸表に集約される
  • 管理会計: 経営者が経営状況を把握するための会計書類作成の基準となる
    • 部門別損益やセグメント別の分析などをする
    • 会社ごとにばらばらでもよい
    • 経営者が知りたい情報が指標になっていればよい

ユニフォームシステムという部門別損益を計算するホテル業界の標準的な会計基準について紹介されていた。米国発祥なので日本での普及率は低いらしい。この話題の中でマネージャーの業績考課やボーナス査定の話しが出てくる。そして、マネージャーのコントロール外の非配賦費用を部門別会計に含めないのはマネージャーの実績を測れないからだと説明されている。つまり、ユニフォームシステムという管理会計の仕組みと人事システムはセットでないと業績改善効果が薄いという話しにつながる。人事というのは本当に難しいことが伺える説明だと思えた。

管理会計によって部門別の損益の悪いところが明らかとなり、そこに対する改善案が進みそうなストーリー展開になってきた。小説風なのでストーリーが進むと、その先の展開も楽しみになってくる。

第5章 数字を分解せよ

投資計画に対して懐疑的になる背景としてフィージビリティスタディの話題が出てくる。私は言葉を知らなかったので勉強になった。ここではセグメント別に分割して大雑把な小さい数字を推定していくことから始め、その数字の裏付けをより精度の高い手法で行うことで現実的な企画ができるみたいな組み立てになっていた。

  • 投資がどのぐらいの経済効果をもたらすのかを予測することをフィージビリティスタディ (feasibility study) と呼ぶ
    • 日本語では事業化可能性調査、または採算性調査と呼ばれたりもする
    • 収益と投資額の2つの情報から利回りが何%かがわかる
    • できるだけ数字を分割して考えるのが基本
      • フェルミ推定を使って大雑把な数字から算出するやり方もある
    • 投資によって「追加的な売上」ではなく「追加的な粗利益」を測るべき
  • RFP (Request For Proposal): 提案提出依頼書を作る
    • 専門家へ依頼するときにコンセプトデザインを明確にする
    • コンセプトを専門家に正しく伝えないと適切な提案を受けられない
  • 自分の会社のリソースを確認し、その比較優位に従って企画を立てるのがマーケティングの王道の考え方

主人公からなぜ横文字を多く使うのか?という質問に対して、コンサルタントの教授が答える。まだ定着していない概念を的確に表すには英語のまま使っておいた方がよいという説明が出てくる。私もこのことは全く同意で、もっと言うとカタカナにせずにアルファベットのまま英語で使うとよいと考えている。本題ではないけど、大型連休はプロジェクトの進捗に影響を及ぼすので考慮にしとけよというやり取りが急に出てきてリアリティがある。私がいま手伝っているプロジェクトは GW の休暇を考慮せずにロードマップを策定していて、私が2回ぐらい指摘してあるとき修正されたことがあった。

ゾンビスクラムを教えてもらった

2時に寝て7時に起きた。今週はバテた。金曜日は非稼働日だけど、バタバタしているから普通に働いていた。

隔週の雑談

顧問のはらさんと隔週の打ち合わせ。今週はお手伝い先がサービスインでバタバタしていて議題の準備がほとんどできなかった。少し前に参加したアトラシアンさんのウェブセミナーのスライド資料が公開されたのでそれを眺めながら雑談していた。

jira の有料プランのサービスに jsm chat という halp の技術を活かした新機能が追加されたらしい。既存プランの延長上で使えるらしい。質疑応答のときに halp とは別プロダクトだと明確に回答していたので halp が今後どうなっていくのかの将来にはかなり懸念がある。チャットと課題管理システムの双方向連携という、slack や teams といったチャットサービスがよく使われるようになった昨今のビジネス事情にあわせたサービスと言えるだろう。

私も以前からその領域に課題意識をもっていたし、ベンチャーでは workstreams.ai も同様のサービスを提供している。満を持してというのか、(私にとっての) 課題管理システムのベースラインとなる jira にその機能が入ったことで競合製品も同様に機能拡張を提供していく気がする。1-2年後にはチャットと課題管理システムが双方向連携しているのが当たり前の開発スタイルになるのかもしれない。非開発者にとってはチケットを扱うよりも敷居が下がるのでそれは適切な世の中の変化だと私は考えている。

ゾンビスクラム

jsm chat と課題管理の話しをしているうちにスクラムの話題になった。Zombie Scrum Survival Guide という書籍があって形骸化したスクラムの特徴をまとめているらしい。ある記事で2021年から翻訳していると書いてあったので翻訳版が出版されたら読んでみようと思う。

ブログ記事の所感を読んだ感じだと、私がいま関わっているスクラムにも一部通じるところがあるなと思って関心がある。

うちのチームは1週間スプリントをもう1年近く続けているのだけど、これは検査が早い段階でできるというメリットがあるものの、開発のメリハリがないなぁとずっと思ってた。それはただ与えられたタスクを無理なくこなすだけというルーチンになってしまっているのと、昨今の労務管理を徹底する働き方改革?のせいか、残業・休出を一切やらない開発スタイルが開発者の自律性や意欲を削いでしまっているのではないかとも思う。もちろん「余白」があれば、業務時間内に好きなことをやったらよいと思うけれど、うちの場合は半分ぐらいのスプリントゴールが未達で、スプリントに達成できないタスクを盛り込むからスプリントゴール未達の状態で他のことをやるのが憚られる空気がある。もっとも好き勝手やっている私がそれを感じるのだから、若い開発者には相応のプレッシャーになっていると思う。結果として、指示されたタスク (プランニングで決めたこと) 以外のことはやらない雰囲気になってしまっている。試しに直近3ヶ月のスプリントバックログアイテムの種別のみで開発者のチケット登録した数をカウントすると次のようになった。

  • 私: 66件
  • 開発リーダー: 17件
  • 開発者1: 14件
  • 開発者2: 12件
  • 開発者3: 1件
  • 開発者4: 6件

これは課題管理システムに慣れていて、業務をタスク分解しながら作業していくというワークフローに私が最も習熟しているから、適度な粒度のチケットをいくつも作りながら作業をやっているという背景もある。しかし、いまやらなくてもいずれ必要なタスクも、業務をやりながら気付いたときに私は随時登録している。憚られる空気を感じている私が週4日労働で控えめにやっても3ヶ月でもこれだけの数が開く。要はゾンビスクラムだと開発者の自律性は期待できないという話し。

github actions の改善

0時に寝て3時に起きて6時に起きた。

失敗したジョブの再実行

せらさんのツィートをみかけて調べたら2日ほど前に失敗したジョブからの再実行の改善が行われたらしい。

たまにだけど、i/o エラーみたいな内容で github actions のワークフロー実行が異常終了することがある。そんなときに途中から再実行できるといいなぁとは思っていた。これはステップ単位ではなく、ジョブ単位の実行みたいだけど、それでも途中から再実行できればワークフローの自由度や効率は上がると思う。github actions がどんどん強力になっていくのが楽しみ。あとやぎさんから教えてもらった GitHub Actions 実践入門 も購入した。ある程度触ったところで雰囲気は掴めてきたので体系的に学んでみる。

デプロイ改善の成果まとめ

23時に寝て5時過ぎに起きた。何度か途中で起きたけど、久しぶりによく寝た。前日あまり寝てなかったから19時過ぎには帰ってきてだらだらしてた。

もてなしだけではもう食えない

業界研究を兼ねて もてなしだけではもう食えない -ホテル経営学の本質と実践- を読み始めた。同じ出版社の週刊ホテルレストランという雑誌の連載を書籍化したものらしい。著者は立教大学で社会人向けビジネススクールでホテルマネジメントとホテルインベストメントを教えているらしい。ビジネスの堅い話しを小説調にすれば読みやすいんじゃないかみたいな取り組みなのかな?よくわかてないけど、小説仕立てで業界研究ができるような書籍になっているらしい。第1章プロローグと第2章腐りやすい在庫を読んだ。実際の現場でこんな仕事できない人が改革チームのリーダーなんかになったりしないなと思いながら読んでた。そこは本題じゃない!コンサルティングでありそうな経営の話しが出てくるのでうちの会社の経営の勉強にもなるかもしれない。少しずつ読んでいく。

デプロイ改善の成果

水曜日がすくらむのふりかえりイベントがあるのでそれに間に合わせて簡単にまとめの資料を作った。3スプリント (3週間) もかけて抜本的に開発のワークフローからビルド/デプロイの ci/cd を見直したので開発全般に影響を与えた。

  • 本番環境デプロイ: 実行時間を約72%の短縮
  • テスト環境デプロイ: 実行時間を約51%の短縮
  • hotfix デプロイ: 実行時間を約64%の短縮
    • そもそも従来のやり方では hotfix を出していないので机上の時間ではあるが

単純に github actions の実行時間だけ比較しても速くなっているのだけど、それ以上にブランチ戦略を大きく変えた。従来は3つのブランチで運用していた。

  • develop
  • test
  • main

これを1つのブランチのみで運用できるように開発のワークフローを刷新した。ブランチが1つしかないので ci/cd の戦略もシンプルになって、変則的な運用 (hotfix を出したいとか) をしても、開発全体に影響を与えない。「誰か勝手にブランチを作ってデプロイして」で終わる。従来のやり方は3つのブランチが開発ワークフローと ci/cd に密接であったために本番環境のリリースするときは開発すべてが止まってしまう状態だった。週1回のリリースだったので本番リリース前の1-2日は PR のレビューやマージを止めているという運用になっていた。それは開発速度に大きな影響を与えていた。ブランチ戦略を見直したことでいつでも本番環境にデプロイできるようになって、継続的デリバリーっぽいことがやりたかったらできるよという話しをした。

不具合調査の翌日

1時に寝て4時半に起きた。昨日22時過ぎまで作業して23時頃から晩ご飯食べてから寝たわりに、というかそのせいか、パッと起きて金朝ツメトギみて、そのままオフィス行って、午前中は昨日の続きの不具合調査をしてた。

Kindle 本の返品

ある kindle 本を購入したときにアカウントを間違えていることに気付いた。amazon のアカウントは法人アカウントと個人アカウントがある。アプリでアカウントの切り替えは面倒なので、業務で購入する kindle 本も個人アカウントで購入して読んでいる。誤って法人アカウントで kindle 本を購入してしまったので返品したい。システム的に kindle 本の返品機能は提供されていないが、Kindle本を返品する を読むとカスタマーサービスから返品できる。次の記事はスクリーンショットで操作も説明しているのでわかりやすい。

カスタマーサービスのチャットを開いて、ボットの質問にいくつか回答して、購入した kindle 本を選択して「その他」からオペーレーターにつながる。6時過ぎだったのにオペレーターがチャットに出てきて、kindle 本を返品したいと書き込んだらすぐに確認して返品処理してくれた。オペレーターは24時間体制なのかな?おそらく購入してすぐだったし、ダウンロードもしていなかったので返品処理がすぐできたのだと推測する。実際の返金処理には2-3日かかるとのこと。チャットで2-3のコメントを書き込めば手続きできたのでシステムはよくできていると思った。そのことを twtter に書き込んだらすぐ Amazon Help にいいねされて、みてるぞって感じでこれはちょっと怖くなった。

オフィス内覧

オフィスの引っ越し調査のために fabbit神戸三宮 に行ってきた。フリースペースは開放感があって、外の光も入っていて、雰囲気がよさそうにみえた。サービスで1日分のドロップインチケットをもらったので今度使ってみる。個室は2名と4名部屋の2種類。2名部屋はあまり広くないので1名で利用している会員も多いとのこと。

  • 月額利用料: 66,000円
  • 郵便受けサービス: 1,100円
  • 法人登記サービス: 11,000円

法人のオフィスとして使うときは郵便受けと法人登記サービスに入る必要があるとのこと。個室の設備なども含めて比べると、いまのオフィスより割高な料金設定になっているように感じた。その他デメリットもいくつかわかった。

  • 法人登記の場合、入会するときに入会金が44,000円かかる
  • 部屋に備え付けの机や椅子がいらないときは保管場所を自分で用意しないといけない
    • 椅子を変えたかったら備え付けの椅子を自宅に置いとくとか
  • 個室の仕切りがガラス張りで外から中がみえるので社外秘などのセキュリティがやや気になる
    • 顧客情報が流出する可能性があるのと、マット敷いてお昼寝しているときに外からみられたら恥ずかしい
  • 郵便受けが施設内にあるのでスタッフがいないと郵便が届かない (土日に郵便物を受け取れない)

歴史と地政学

1時に寝て6時半に起きた。今日はリリース日でリリースに間に合わなかった PR 群の説明を書いてそれらをまとめたり、チケットの整理をしたりしていて、あんまり他のことの記憶がない。

地政学に関心がある

プーチン大統領が「地政学的に言えば……」という枕詞をよく使う (印象を私が勝手にもっていて、実際にそういう発言をググっても検索ヒットするわけではないので勝手な私の思い込みかもしれないが) ので地政学という分野に以前から関心をもっている。とくにプーチン大統領のファンだというわけではない。地政学といえばプーチン大統領という連想が働くだけだ。たまたまはてブのエントリーでみつけた記事を読んだらおもしろかった。

記事に触発されて 恐怖の地政学 を購入した。いま私が地方都市に住んでいるというのもあって、地方に根付いた産業とか文化とか、いくらかそれは地理的な要因もあるだろうとは思っていて、せっかく地方に住んでいるのだからそういう分野の歴史や背景を調べるのもおもしろそうだと思い始めたところでもある。

電源アダプター入手

電源アダプター入手

3時ぐらいまで本を読んでて、それから寝て8時に起きた。

USB-C の電源アダプター

大晦日、高速バスの乗車待ちの列に並んでいるときにふと気付いた。macbook の電源アダプターを持ってくるのを忘れた。その後の予定も詰まっていたので今更取りに帰るわけにもいかない。これまで10数年帰省してきて1度も忘れたことはなかったが、人間の注意力に頼っていると、いつかは失敗するというよい事例だ。完璧に自分の不注意で電源アダプターをバッグに入れ忘れた。反省はあとでやるとして、列に並びながら amazon のサイトをスマホで開いていた。検索すると、手ごろな価格帯で類似品がいくつか出てくる。調査する時間の余裕がなかったのであまり迷わず互換性があると書かれたものを選択した。3,588円。12月31日の15時過ぎに注文して1月2日の9時半に実家で受け取った。見た目は macbook の電源アダプターとほぼ同じ。この日記は購入した電源アダプターにより充電開始した macbook で書くことができた。お正月にも関わらず届けてくれた物流センターや宅急便の関係者に感謝。

バッタを倒しにアフリカへ

時間があるのと中盤を過ぎたのもあって一気に「第7章彷徨える博士」「第8章「神の罰」に挑む」「第9章我、サハラに死せず」「あとがき」と読み終えた。本書を読み終えてから著者のブログ記事である 『バッタを倒しにアフリカへ』行き、必殺技を見つけてきました を読むとまた違った印象を受ける。本書は著者の研究成果として論文を書くための、下積みの期間の物語と言える。アフリカへ行き、フィールドワークを通じてバッタのデータを収集し、研究資金が底をつきながらも著者の熱意や活動により、研究資金を得て、研究に専念するための環境を、文字通り、自ら作り上げていったという、言わば、著者がこれから評価を得るであろう研究の序章のような位置付けになる。あとがきでも研究内容の詳細は意図的に書いていないと書かれており、それは論文として提出できていれば詳細を書けるが、執筆時点では論文を完成させていなかったので詳細を伏せたとある。

著者は研究資金を得る活動の一環として広報活動やネット上の露出もあったため、そういう活動は時間を取られるため、研究に集中できない期間もあったことが伺える。2018年からSNS断ちして3年間、研究に没頭して論文を仕上げたというのも理解できる。また SNS でファンが増えるにつれ、誹謗中傷も増え、多くの励ましよりも数少ない誹謗中傷で傷つくといった話題も出てくる。私も SNS は時間の無駄だと考え、なるべく利用を減らそうとしているが、暇なときや時間つぶしにはよいサービスであることも確かでなかなか SNS と縁切りするところまではいけていない。

閑話休題。後半は著者の熱意に感情移入して研究がうまくいくといいなと応援しながら読み進めていた。研究がうまくいきそうな雰囲気のところで本書が終わってしまう。おそらく論文発表を一通り終えたら詳細も含めて続編を書いてくれるようだが、それはもう数年、もしかしたら10年以上先のことになるのかもしれない。著者は1980年生まれと私と1つしか違わない。40歳を過ぎて、私も周りもミドルエイジクライシスに悩む人たちをみかけるようになった。本当に価値のあることや世の中の役に立つことを研究できるのは著者にとっても幸せなことだろうというのがひしひしと伝わってくる。誰でもできるお仕事は基本的に受けるつもりはなく、自分の目指すキャリアにつながるお仕事、もしくはやる価値があると自ら判断したお仕事しかしないようにこの1年で方針を調整してきた。なにか新しいことに挑戦してみようという人にとって本書は勇気をもらえる内容だったと思う。

お風呂

実家の近くで うずしお温泉 という温泉が湧いていて、実家に帰ると銭湯へ行く感覚で温泉に入っていたりする。昔からあまり温泉を特別なものに感じていないのは地元にあって珍しくなかったからかもしれない。夜に入りに行って出てから少しストレッチをしてた。

寝正月

0時に寝て5時に起きて2度寝して7時半に起きた。マンションより実家の方が部屋の中は寒い。

古札の返納

うちは厄年を気にする家で親が厄払いにいかないとうるさいので前厄・本厄・後厄の3年間、毎年厄払いのお札を授かっていた。近所に 薬王寺 という厄除で有名なお寺がある。今年は後厄のお札を返納するだけなので時間もかからずすぐに終えることができた。その後、ついでに初詣も行こうかと おのころ島神社 に行ってみた。参拝するのに100-200人ぐらい並んでいた。そんなに列も進むようにはみえなかったのでたこ焼きだけ買って離脱した。初詣はまた神戸に戻ってからにしよう。

バッタを倒しにアフリカへ

家に戻ってきてとくにやることもないのでテレビを眺めながら本を読む。「第4章裏切りの大干ばつ」「第5章聖地でのあがき」「第6章地雷の海を越えて」を読んだ。macbook の電源アダプターを持ち帰るのを忘れてきたのでスマホで kindle 本を読んでいる。これまで読んだことなかったけど、他に利用できるデバイスがなかったら読めるもんだなと小さい画面に少ない文字ながら読み進めた。

印象に残った内容を書いていく。干ばつで国中が大変な状況でもモーリタニアは隣国の難民を受け入れていたというエピソードが出てくる。イスラム教の宗教的背景などもあるんだろうなと思いながら読んでいた。日本はいま自己責任が強くなってしまって若ものが困窮していても助けを求めないというニュースを見かけたりもする。一面だけをみてどうこう言うのも適切ではないけど、豊かさとはなにかを考えさせられた。フランスの研究機関へ行った時にファーブル昆虫記のファーブルさんの生家を尋ねたエピソードも出てくる。私はファーブルさんのファンでもないのでとくに感銘を受けることはないけど、著者の思い入れが伝わってくるのでよかったなぁと思いながら読んでた。その後、バッタの群れをみつけて追跡するところとか、1-2年かけて調査してとうとうみつけたのかなと感慨深かった。現地の人から言うと大した群れではないとか、地雷原の先へ逃げられてしまって途中で追跡を断念したり、不完全燃焼ではあったけど、最初はそんなもんで地道にやっていくしかないというところも現実に即した内容でよかったと思う。