ナイトハイクのリハーサル
先日 購入したヘッドライトとハンドライト が届いたのでリハーサルとして軽く夜の登山道へ行ってきた。18時半にお仕事を終えて家に戻り、装備を整え、19時頃に出発して19時半頃には新神戸駅周辺に着いた。19時半から21時頃まで夜の登山道をナイトハイクしてみた。
他の人にも役に立つよう、ライトの明るさや使用状況について客観的な所感を活動日記にも書いてみた (この日記に同じ内容も含むので読まなくてよい) 。
ここではもう少し感じたことやわかったことの詳細を書いていく。活動日記には含まれていないが、実は2回にわけて歩いた。単純に道を間違えてすぐに終わってしまい、これではリハーサルとして物足りないから折り返して活動日記を作ることにした。結果的には活動日記も作れてよかったと思う。
- 新神戸駅から北野道を歩いて市街地まで (約20分)
- 折り返しで市街地から北野道を歩いて布引の滝周辺 (約1時間、活動日記にある内容)
まず始めに1人で夜の登山道に入るのはかなり怖い。この怖さには複数の感情がある。
- 暗い山道に1人でいることの根源的な怖さ
- 逆に誰もいないはずの山道で誰かと遭遇することの怖さ
- 足元がみえにくいことから足を滑らせて崖から転落しないかの不安
- 登山道を判別しにくいことから道を間違えていないかの不安
- みえないのに生きものの気配を感じることから野生動物 (熊や猪など) が出てこないかの不安
- 事故に遭遇しても誰にも助けてもらえないことの不安
風がやや強く、その風で木々が揺れる音やライトに集まってくる虫たち、野生動物の気配など、最初の10分ぐらいは物音にびくびくしながら歩いていた。ナイトハイクは大人数で行った方がよいと書かれている記事もみかけていた。シンプルに1人だと怖いという所感をもった。マイナーな登山道を歩くと誰も歩いていないから1人で怖いといったものは昼でもある。夜の闇がその怖さに拍車をかけるといった雰囲気がある。
一方で自分も自然の一部だという野生を取り戻す感覚はあった。都市に住んでいると周りに人がいて安全であるのを当たり前に感じてしまう。それが特殊な状況であることの感覚を取り戻してくれるように思えた。
そして人間は慣れるもので30分ぐらい1人で歩いているとその怖さの状況にも慣れていった。
ナイトハイクの鉄則として、よく知っている登山道、ルートを間違いにくいわかりやすい登山道を選択するのがよさそうに思えた。とくに夜だと歩いているところが登山道かどうかの判別が難しい。山道そのものの険しさや細さよりも、木階段になっていて登山道であることが明確にわかる方が安心して歩ける。地面が露出している道はまだしも、草で覆われたような山道を歩くときは定期的にスマホで地図を確認しながら歩かないと道を間違えていないか不安になる。昼に歩くのと比べて登山道かどうかの判別がかなり難しい。足元がみえにくいことから崖に気付かずに足を踏み外すといったリスクも高いと思える。スマホを失うと遭難リスクが高い。スマホで地図を確認する機会が昼と比べて増えることからスマホをケースに入れてネックストラップで紛失防止対策をした方がよいように思えた。
最初はヘッドライトだけ、その次にハンドライトだけで歩いてみた。すぐにこれは両方を併用した方が安全であることに気付いた。ヘッドライトだけだと頭の動きと頭の動きによって照らす場所が制限されてしまい、物音がして横をみたりすると前が暗くなってみえなくなってしまう。頭の動きで周囲を見渡しつつ、ハンドライトで前方を照らす。もしくは逆に前方をヘッドライトで照らしつつ、ハンドライトで周辺を見渡すといったことをしている方が安心して歩ける。周りの気配や登山道のチェックなど、周辺の状況を把握するために2つの光源をもっておく方がよい。スマホで写真を撮ったり地図を確認するときにハンドライトを下げても、ヘッドライトで周辺を確認できるので安心できる。
事前に読んでいたナイトハイクの記事から明るさは200-300ルーメンあるとよいとあった。私の所感でもその通りだと思う。昨日もっていた装備では次の明るさで十分に歩くことができた。
- ハンドライト: 260ルーメン, Midモード, 8時間稼働, 162g
- サブヘッドライト: 50ルーメン, Ecoモード, 8.5時間稼働, 50g
それぞれ最も低い明るさが60ルーメン/50ルーメンだったので試してみた。これだと暗過ぎて登山道を確認できず安心して歩くことはできない。少しスペックの高いライトを購入して、あえて明るさをレベルダウンして稼働時間を増やすのがよい。このぐらいの明るさと稼働時間であれば安心して2-3時間は歩けるように思える。私は乾電池を管理するのが面倒なので充電式のライトを購入したが、電池切れが気になる人は乾電池タイプのライトを買って予備の乾電池を持ち歩くのもよいと思う。私は予備バッテリーをもって登山している。実際に試したら充電中にライトは点灯しない制御になっている。もし電池切れしたらその場にしばらく留まって充電することになる。実際の運用では、故障に備えて予備のヘッドライトやハンドライトをもっておき、それらを使っている間に充電するといった運用でもよいかもしれない。
夜だからハットはいらないだろうと持っていかなかった。しかし、ヘッドライトをしていると虫が集まってきたり、登山道を覆う木々の枝なども昼よりも夜の方がみえにくいので鬱陶しく感じる。ハットは紫外線を防ぐと同時に頭部を防御するのにも優れているとナイトハイクをするとよく気付ける。
トレッキングシューズも夜の方が大事になる。今回はリハーサルだったのでランニングシューズを使った。歩いていて夜だと足元がみえにくいため、昼と比べて着地の姿勢がおぼつかないことが多い。そういうときに足をひねったり疲労を蓄積しない対策としてナイトハイクの方が足首を固定するトレッキングシューズを使うことは重要に思えた。次回はトレッキングシューズでナイトハイクに出掛けようと思う。
今回はハンドライトをメインにして、ヘッドライトをサブに使うという装備にした。次回は逆にスペックの高いヘッドライトをメインにして、軽いハンドライトをサブに使うことをやってみる。メインヘッドライトとして Black Diamond スポット400-R を購入することにした。もし5-6時間歩くナイトハイクへ行くなら予備のライトもあった方が安心できる。お守りとして購入しても無駄にはならないだろう。
充電式 (micro usb)
明るさ: 最大400ルーメン (無段階調整)
照射距離と稼働時間の目安: MAX 400ルーメン、100m、4時間 MED 200ルーメン、60m、8時間 LOW 6ルーメン、12m、225時間
重量: 73g

今回使った GENTOS のハンドライトは 162g と1時間歩く分には重くはなかったけど、ヘッドライトをメインにするなら軽くてスペックの低いハンドライトも試してみようと次のハンドライトを購入した。
1つはキーホルダーサイズの OLIGHT I1R 2 PRO にした。サイズが小さいから、もしかしたら山歩きには向かないかもしれない。
充電式 (usb type-c)
明るさ: 180ルーメン
稼働時間: 23分
照射距離と稼働時間の目安: HIGH 180ルーメン、48m、23分、LOW 5ルーメン、?、12時間
重量: 22g
もう1つは アイリスオーヤマ LED ハンディライトズーム機能付き 100lm LWK-100Z にした。
単3乾電池1本
明るさ: 100ルーメン
稼働時間: 3時間
照射距離: 70m (スポット配光時)
重量: 約75g (本体:45g + 単3乾電池:約30g)
余談だが、重さとスペックのバランスを確認しながらハンドライトを探したらなかなか適当な製品が見つからない。GENTOS RX-286R はミドルスペックな割に 162g と調べてみたら軽い方ですごくバランスがよい。100-200ルーメンの明るさで 100g 前後のハンドライトはなかなかみつからない。