2時に寝て4時半に起きて7時半に起きた。昨日のオンラインイベントの後に課題管理についての質問を受けたらいろいろ調べ始めてしまって帰るのが遅くなった。

組織論のあれこれと元凶

たまたま教えてもらってみたらおもしろかった。私もこの歳までに10社以上の組織をみてきたことから、組織の問題、あるいは組織であるがゆえに避けられない問題があることは理解できるし、自分の経験則でもダメな組織の特徴などいくつも思いつく。だいたい知っている内容ではあったけれども、若いのに書籍や論文を研究して、そういう現象にこういった名前がついているというのを言語化してくれていることは知識を共有する上で大事なことでもある。そこまでは知らなかったのでとても参考になる。

私が思う解決策の1つに役職や地位が固定化されないような組織設計というのがある。「権力は腐敗する」 という言葉がある。権力を維持したまま、いまの人間社会でこれを避ける方法はないと私は考えている。どんな優秀な人であっても。上司も役員も社長でさえも、定期的に入れ替わる。どんなに成果をあげても優秀であっても一定期間以上とどまれない。そういう新陳代謝がいいんじゃないかと思う。実際にティール組織やホラクラシーといった組織形態はこの解決策を実現している。

動画の中で、心理的安全性の誤った解釈の文脈で組織がなぁなぁになっている世の中の流れがあって、私もずっと思っていたことの1つに自己肯定感を高めるのがよいというのは本当か?という問い。たしかに過去の行き過ぎたハラスメントは意味がないものではあったのは理解するが、できない人を然るべき内容で叱らないのもどうかという思いは私の中にもあった。坂井さんによると、自己肯定感が本当によいのかどうかという成果も怪しいという。

成果が出ていない人に対して自尊心を高めると、逆に成果が悪くなったり、他者へ横柄になったりする。

直感的に当たり前の話しだと思う。できない人を特別扱いする必要はない。そして、坂井さんは流行りのキーワードにとらわれず、自分たちの組織では本当にそうなのか?具体的で地に足の着いた制度や施策を見極めるべきだ、ちゃんと自分たちで考えましょうといったメッセージを発信していた。これは課題管理の文脈でも私もメンバーに常々言っている。自分たちのやり方にあうかどうかを考えるのが大事だ。

一方でうまくいっていない組織を立て直すのはとても難しい。それは組織のマネジメントというのは、上位の意思決定者、役員であったり部課長であったり、幹部社員の影響力がとても大きいため、うまくいっていないことを認めることそのものが役員や幹部社員へのダメ出しとなる。私もお手伝いをしていて、本質を追究すると経営陣への批判になってしまうため、お茶を濁すときもある。もちろん重要なことで言うべきところは言うが、それほど重要ではないところはお茶を濁してしまう。それは人間関係もあるし、取引関係もあるし、誰だって嫌な人になりたくないし、厳しいことも言いたくない。外部の人間ですら怯むところがあるのに、同じ会社の上下関係や人間関係ではもっと言いにくいことはあるだろうというのは容易に察することができる。優秀な若手が会社を去るのは至って自然だし、もっと言うと年配の人たちも若い人にポジションを譲って会社を去らないといけない。1つの会社で5-10年働くのはとても難しい時代にきているのだと私は思う。