Posts for: #2025/06

ナイトハイクの下見3

先週のナイトハイク に引き続き、3回目。金曜日の夜から天気が崩れそうだったので木曜日の夜にナイトハイクを企画してみた。

登山計画のコースタイム倍率 1.0 で2時間43分のコースが、実際に歩いてみると1時間43分で歩いてこれた (平均ペース170 ~ 190%) 。yamap のコースタイムは、次のように安全なペースで歩いているユーザーの歩行データを用いてモデル化して算出されているらしい。基本的には安全なゆっくり歩いた時間として算出される。

YAMAPをご利用いただいているみなさまの活動記録データをもとに、コースタイムの基準値(標準コースタイム)を地形から算出する手法を開発しました(注1)。まず運動生理学的な知見に基づき、普段から安全なペースで歩いているユーザーのみを抽出しました。抽出したユーザーの歩行データを用いて斜度とペースの関係を表すモデルを作成し、このモデルを使って整備された登山道の地形から標準的なコースタイムを算出する方法を考案しました。この標準コースタイムは、著名な登山ガイドブック等に記載されているコースタイムともよく一致することが示されています。

標準コースタイムの採用について

無理をしないという意図でナイトハイクの登山計画もコースタイム倍率 1.0 で算出してきた。しかし、ナイトハイクは周りの景色をみる余裕はないし、怖いから早歩きになるし、休憩もほとんどとらない。結果的に昼間のハイキングよりもはやくなる。見積もり時間があまり乖離しても予定をたてにくいので今後は 0.8 で見積もる。最低限の装備は整ったし、夜の山道を歩く経験も増えてきた。2-3時間を目処に活動範囲を徐々にひろげてみようと思う。

今回はながいさんと2人でナイトハイクへ行ってきた。これまで1人で行っていたのと比べて2人だとまったく違う。1人で歩いているときと比べて誰か他の人がいることそのものの安心感が大きい。

  • 不案内・迷いやすい山道を通っても不安が軽減する
  • 人と話していると周囲の環境音に対するこわさが減る・気にならなくなる
  • ライトの光源が増えるので山道が (相対的に) やや明るく感じる
  • 事故に遭遇しても助けを期待できる (保険)

逆に2人のときに感じる心配のようなものも感じた。

  • 後ろをついてきているかがわからない (定期的にふりかえって確認したりしていた)
  • 数人とか、人が多いと誰かいなくなっていても気付きにくいかも?

ナイトハイクは圧倒的に1人よりも2人の方がずっといい。但し、事故のリスクが大きいので無理には誘わない。

今回のナイトハイクで一番怖かった瞬間。舗装道路を歩いていたら頭上からバキバキって聞こえてきて山側から倒木が落ちてきた。暗くてよくみえなかったが、人間大ぐらいの倒木だったように思う。10mほど後ろに落ちてきた。木が裂ける音が聞こえて少し足を早めたせいで距離を取ることができたのかもしれない。事故にはいたらなかったが、なにが起こっているのかを把握できなくて対処できなかった。おかげで倒木が落ちてくることもあるんやという経験を得た。倒木で発生する裂けるような音もはっきり聞くことができた。次回、そういう状況に遭遇したら逃げるようにしたい。

名勝「馬の背」

「須磨アルプス」とは、六甲山系の西端、横尾山から東山にかけて見られる荒々しい風化花崗岩の岩稜帯のことです。

海と街の絶景にお茶屋さんも! 「須磨アルプス」縦走ハイキング

この記事にもあるように、六甲山系の有名なハイキングコースの1つとして紹介されていて yamap の活動日記でもよくみかける。須磨アルプスと呼ばれる地帯の一部のエリアを「馬の背」と呼んでいる。馬の背の紹介記事の中で wikipedia:名勝 という言葉が肩書きのように使われている。名勝ってなんだろう?と調べてみると、国指定の文化財の種類の1つをそう呼ぶらしい。自然の景観がよい場所などが名勝に指定されている。

兵庫県で他にどんなところがあるのだろう?と 国指定文化財等データベース を使って次の条件で検索してみたが、馬の背は出てこない。

検索条件:「史跡名勝天然記念物」、「兵庫県」、「名勝」

兵庫県の名勝として9件ヒットしたうちの1つに、これまで何度も行っていて、先週も行った 再度公園や神戸外国人墓地 が名勝指定されていることを知った。たしかに「国指定名勝」と書いてある。

もしかしたら名勝を指定するのが国だったり自治体だったり、別の団体だったりするのかな?とも推測したが、馬の背の名勝の由来などについて記載されているものをみつけることはできなかった。

閑話休題。実際に馬の背へ行ってみてなぜ須磨アルプスと呼ばれているのかを理解できた。

岩稜帯は標高の高い山や岩場が発達した山域に分布している。低山しかない神戸周辺では岩稜帯そのものがあまりないらしい。あと実際に行ってみて岩稜帯を歩くのはめちゃくちゃ怖い。通常の山歩きは周りに木々が生い茂っているので直接的な高さを意識しない。岩稜帯だと周りに木々がないから崖下をそのままのぞきこめてしまう。通り抜けるのに下をみると高さで足がすくむ。高所恐怖症の人は通り抜けできないと思う。せっかく名勝指定された場所へ行っているのに、高さの恐怖があってあまり周辺の景観をみることはできなかった。危険ではあるけれど、体験としてはスリルもあってとても楽しかった。

今日のスタート地点である須磨浦公園駅は六甲全山縦走コースの開始点でもある。今日のコース自体が全山縦走の1/7ぐらい。全山縦走に挑戦するには馬の背をまた歩かないといけないのか。怖いなぁ。全山縦走の所要時間は13-15時間と出てくる。15時間で計算すると5時に出発しても20時までかかる。ナイトハイクの準備も必要になる。全山半縦走なら須磨から摩耶山あたりになるらしい。7時間程度と見積もっていつか体力がついてきたときに挑戦したい。

ナイトハイクの下見2

先週のナイトハイク に引き続き、今週も行ってきた。金曜日の夜に山登りできるとナイトハイクの調査と日々の運動を兼ねられるのでちょっとおもしろい。最近はフルタイムで週5日働くのが体力的にしんどいと感じる一方、金曜日が来るのを楽しみに働ける。前回同様、他の人にも役に立つよう、ライトの明るさや使用状況について客観的な所感を活動日記にも書いてみた (この日記に同じ内容も含むので読まなくてよい) 。

今回はちゃんとした山歩きのコースを作ってみた。yamap の標準タイムだと2時間31分になっていたが、実際に歩いてみると1時間41分だった。私が実際に歩いた平均ペースが150-170%程度であることから登山計画よりも早い時間になることを想定できる。さらにライトのテストをしたり、写真を撮ったり、yamap の地図をみたりしているので余裕のあるペースで歩いているという感覚がある。ナイトハイクなら登山計画の標準タイムよりも早く歩いてしまうことを前提として計画してよさそうに思える。

ナイトハイクは想定外なトラブルが発生する可能性を考慮している。最初は2-3時間程度のコースを計画して少しずつ経験を積む。今回のコースは2時間弱で歩けて比較的安全な登山道だと思える。昼間に歩いてナイトハイクで迷うことはなさそうかを下見しておくのは大事な準備になる。今回も歩いてみて、夜だと登山道の判別が難しいところの方が歩いていて不安になる。城山から堂徳山にかけてのなだらかな場所で道に迷って登山道ではないところを進んでしまって戻ったりした。そういう場所に遭遇すると、常にスマホを片手に地図をみながら歩くことになる。勾配のきつい木階段の山道、崖に面した細い道の方が登山道から外れる不安がなくて (足を滑らせないように注意していれば) 安心して歩ける。

今回は前回の反省からハットをかぶり、靴もランニングシューズからトレッキングシューズに変えて臨んだ。これはとてもよかった。ハットは飛んでいる虫や山道に覆いかかる木々の枝や葉っぱなどを防いでくれるし、トレッキングシューズで足首が固定されていることで足元がよくみえなくて足を捻ったり挫いたりしにくくなる。足元に転がっていた木の枝で足を滑らせたことも2-3回あったと思う。そういったときにトレッキングシューズの方が怪我をするリスクを軽減できる。足首を固定できるトレッキングシューズは昼よりもナイトハイクの方が役に立つ。

今回のナイトハイクで一番怖かった瞬間。19時半頃だと思う。歩いていて遠くからうめき声のようなものが聞こえた。聞き違いかな?と思いながら歩いていると、また「ホーホー」と聞こえる。繰り返しで聞こえたから鳥の鳴き声だと認識できた。あとで調べてみたら夜に鳴くのはアオバズクだと出てくる。次のページで鳴き声を確認してみた限りだと、私が聞いた鳴き声はアオバズクよりもフクロウに近かったように思える。

昼間だと急に鳥の鳴き声が聞こえてもそんなにビクッとはならない。夜の静寂な山の中で急に鳴き声が聞こえると、なんか声が聞こえた?となってビビる。幸いにも何度か繰り返し鳴き声が聞こえることでフクロウの鳴き声かなと安心できた。こういうのも知識が増えていくことで怖さが減っていくように思える。前回は真っ暗な山道に1人でいることそのものが怖かったが、今回は2回目だったので少し慣れた気がした。

今回のヘッドライトは Black Diamond Spot 400-R を使い、ハンドライトは OLIGHT I1R 2 PRO とアイリスオーヤマ LED 100lm LWK-100Z の2つを使ってみた。メインヘッドライトとサブハンドライトの組み合わせで使ってみた。実際に使ってみた明るさは次のようなもの。

  • Spot 400-R: 200-300ルーメン(無段階調整)、照射距離60m、8時間稼働、73g
  • I1R 2 PRO: 180ルーメン、照射距離48m、23分稼働, 22g
  • LWK-100Z: 100ルーメン、照射距離70m (スポット配光時)、稼働時間が3時間 (単3乾電池1個)、約75g

Spot 400-R はヘッドライトのおすすめ記事でも上位にランキングされている。ヘッドライトは ヤマレコ社長の動画 にもあったように専門メーカーが販売している適切なスペックのものを選べばよいという助言通りであっていると思う。Spot 400-R は明るさを無段階調整できる。ボタンを押し続けることで明るくなったり暗くなったりするので適当な明るさのところでボタンを離して調整できる。今日は宵闇の時間帯に出掛け、ライトがなくても歩ける薄暗い状態から徐々に暗くなっていった。街灯のある山道も歩いた。無段階だと周囲の明るさにあわせて調整できるのでこの機能は便利に思えた。バッテリー消費が気になるので最大の明るさの状態で使うことは稀かもしれないが、余力を残して200-300ルーメンの明るさに調整するのでよいと思える。

ヘッドライトが明るければハンドライトは不要かと言うと、私の所感ではヘッドライトとハンドライトの2つを併用した方がよい。ヘッドライトがどれだけ明るくても一方向しか照らせない。周囲の状況を確認するのに光源が多いほどよい。自分にとって十分だと感じる明るさに調整しながら、ハンドライトとヘッドライトを組み合わせて周囲の状況を確認する方が安心できる。とくに山中の傾斜が緩やかなところはどこが登山道かわからない。スマホで地図を確認しつつ、なるべく周囲を照らして登山道を判別する方が安全に思える。

前回は GENTOS RX-286R というミドルスペックで重さ 162g のハンドライトを使った。「やや重い」と書いてしまったのだけど、スペックを落としてもこれより軽いハンドライトをあまりみつけられない。ミドルスペックでこの軽さは十分に軽い方だと思える。次にナイトハイクへ行くときはこの RX-286R を2-3時間持ち歩いてみて重さに疲労を感じるかを試してみようと思う。重く感じないならスペックが高いこのハンドライトがよいと思える。

I1R 2 PRO はキーホルダーサイズで 22g と軽い。これもストラップをつけておかないと小さいから落としてしまうと失くしやすい。HIGH 180ルーメン (23分稼働)、LOW 5ルーメン (12時間稼働) というスペックになっている。ギャップがすごい。当然 LOW モードだとナイトハイクはできない。HIGH モードだと十分に明るくて20分ほど歩いてみたが、バッテリーは切れなかった。明るさを調整できれば用途もあったと思うが、HIGH と LOW が完全に切り替わる仕組みなのが残念なところ。キーホルダーサイズなのでお守り的にバッグに付けておいてよいと思う。

もう1つ。100lm LWK-100Z が思いの外、明るかった。ヘッドライトが明るければサブハンドライトとしてはこれでも十分かもしれない。スペック上は100ルーメンとあるけど、あまり暗く感じなかった。値段も1000円前後と安かったので、もともと期待値が低かった。期待値の低さからよく感じたのかもしれない。メインハンドライトの故障に備えて、サブハンドライトとして持っておくといった用途もよいかもしれない。

ソロでナイトハイクする上でライトを失うと遭難のリスクが高くなる。ソロで行くときはヘッドライト/ハンドライトを2セットもっておけば、想定外のトラブルのときにも対処しやすい。仮に電池切れになったとしても、予備のライトに切り替えて歩いている間に予備バッテリーで充電できる。当面はこの装備でナイトハイクの下見に行こうと思う。

ハイキングと温泉

雨天を避けるため、日曜日も軽いハイキングをするようにした。まだ涼しいのでもうしばらくは山登りできそうに思う。暑くなるまで、6月はたくさん山登りへ出掛けるようにしたい。

今日はながいさんと一山超えて鈴蘭台まで行ってきた。余裕があったので 470m の再度山 (ふたたびやま) の山頂にも登ってきた。3年前に上級者に連れられて登ったときにバテて2度と行きたくないと思っていたところでもあった。体力がつき、「ゆっくり上る」ことを覚えて、いま挑戦してみたら難なく山頂にたどり着けた。3年前はオーバーペースで登っていたことに気付けた。山登りは自分のペースで歩くことが大事。

なぜ鈴蘭台かというと、そこにあるスーパー銭湯のような、かなり設備の整った 有馬街道温泉すずらんの湯 という温泉に行ってきた。すごくよかった。お昼に着いたのでほろ酔いセット (ビール, 冷奴, 枝豆) + ハンバーグオムライスを食べた。平日はほとんど外食しないので、外食するときは普段食べないものを食べるようにしている。普段の食生活でとれていない栄養も取れるだろうし、ストレス発散にもなる。ごちそうさまでした。

すずらんの湯は最近リニューアルしたばかりらしくシャワーの水流が強くて、いろいろなお風呂があって、露天風呂もあって、サウナも2種類あって久しぶりに広いお風呂に入って気持ちよかった。ここ3ヶ月、土日は一切お仕事せずに運動したり出掛けたりと、のんびり過ごしている。そのおかげで精神的な不調もなくなり、以前に近い集中力でコードを書いているようにも感じる。ほぼ復調したと言える。

今日歩いた登山道は 大師道 という、整備されて歩きやすい登山道だった。下りで何度か通ったことはあったけれど、初めて上りで歩いてみた。山道は険しくなく整備されていて迷いにくい。ナイトハイクのコースの候補によさそうに思えた。

すずらんの湯は24時 (入館受付23時) まで営業している。再度山の山頂へ行かず休憩なく歩けば2時間程度で鈴蘭台には行けるだろう。19時に出発して21時台にすずらんの湯に着いて1時間ほどお風呂に入って23時に施設を出て 23:40 の鈴蘭台駅からの終電に乗ればぎりぎり帰って来れる。ちょっと忙しいから行くとしたら18時台に出発するのがよいかな。実際に行くかどうかはともかく、ナイトハイクという手段を得たことで平日に山登りに出掛ける計画を練ることもできる。山登りの楽しみ方が広がるという側面からナイトハイクの経験を積み重ねていこうと思う。